ジルオール クリア後の感想


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その1-10に戻ってみる

 1周目を振り返りつつ感想など。どちらかというとお勧めポイントの列挙になっているような。でも一部ネタバレなので未プレイの人にはあまり見せられない。るるる。

1周目を振り返る

 後半はネメアを止めようと立ち回ったはずなんだけど、終わってみれば見事に流されているような。アキュリュース・リベルダム陥落は傍観者モードだったし。ついさくさくとネメアを助けに行っちゃったもんだから、サブイベントはほとんど見てないし。いやまさか、ネメア救出に向かった時点で他の寄り道ができなくなるとは思いもよらず。確かにオルファウスが、「行ったら最後、後戻りはできないだろう」とは言ってたけどさー。  そんなわけで、デルガドもセラもオイフェもほったらかし……セラなんか、もう少しでアーギルシャイアの件が決着つきそうだったのに。かわいそ。←ほったらかした奴が言うな

 エンディングはティアナ。いつも王宮にいるから会いやすい=好感度上げやすいし、プレイ初期から固有イベントも起きるので、狙っているつもりがなくても彼女がエンディングに来ちゃうことは多いらしい。どちらかというと、エリスがティアナと和解したところが見られたという面でよかったかな。こういう「戦う女性」はちょっと贔屓。亭主や兄が無能だったから、自分や娘を守るために「ファーロスの女狐」にならざるをえなかったわけで。

 まーあと、同性エンディングじゃなくてよかったということで(笑) いや、猫屋敷のネモからNPCとの友好度を教えてもらえるんだけど、「燃え上がってヤバい関係」が何人かいてなあ……ゼネテスとかアンギルダンとかデルガドとか、よりによって暑苦しいメンツが(苦笑) しかも、相手が同性でも異性でもエンディングの内容に変化はないらしいので、アレでナニです。スタッフが確信犯かどうかは不明。

 そんなわけで、以下ゲームそのものについての感想。

歴史の力

 いやしかし楽しかったー。激動の時代を思うままに生きた、という感じ。好きなところに行って好きなことして、思わぬ出会いがあり別れがあり。ネメアを中心とした歴史の流れは、実はプレイヤーが何をしてもほとんど変わらない(前置きで紹介した「歴史に流されるオリジナル武将」だな確かに)。せいぜい一部のNPCを死なせない程度。でもその歴史のうねりの中で辿った道は、確かにプレイヤーだけのもの。そういう満足感が得られるゲームだと思う。
 まあ欲を言えば、プレイヤーの働き如何でロストール以外の国もディンガルの侵攻から守れたり、逆にさっさと全土統一を果たしちゃったり……てなことがあると面白かったかもしれないけど。たぶん人間がどうあがこうと、闇の勢力は何らかの手段で人間界に迫ってくるんだろうし(笑) ここらへん、噂の一つである「完成直前にイベントの2/3が削られた」の内に入るものなんだろうな。

 歴史の流れを裏打ちする詳細な舞台設定もすごい。世界の創造から数多の神々、そして破壊神ウルグや竜王につながる神話。それぞれの国の歴史や文化……そういったことが、旅の中でだんだん明らかになり、絵巻のように組み上がっていくような感覚。実は私、昔は歴史のどこが面白いのかさっぱり分からず、政治経済で大学受験しようとして選択肢を狭くしたりもしたんだけど、今回初めて歴史の面白さが分かったような気がする。これが「歴史もののコーエー」と言われる所以か。

同じ時代を生きる者たち

 旅を彩る数十人のNPCとの出会い、そしてイベント。最初こそベタベタな話ばっかりだなあと思ったりもしたけど(最愛の人を奪われて復讐とか、異種族間の問題とか、迫害されるマイノリティとか)、いつの間にか気にならなくなっていた。深追いすればその一端をプレイヤーも知ることができ、逆に放っておけば、NPCはNPCなりの道を進んでいく。プレイヤーと出会うまでじっとどこかで待っていることはない。旅先でふらっと立ち寄った酒場に誰かがいたりすると、フラグの成せる技と知りつつも、「おー久しぶりー」なんて声かけたくなったり。善人・悪人とか敵・味方とかで色分けされていない、ただ同じ時代を生きている者たち、という感じがする。

 それに、イベント以外のNPCの描写も実は細かい。人物列伝は歴史の推移に合わせて内容が変わるし、それからメニューの「仲間に相談」が面白かった。魔道器やティラの娘といった重要イベントについてのパーティメンバーのコメントが読めるんだけど、性格出てるよなあ。フェティなんか、何訊いたって「そんな俗世のこと、高尚なエルフであるあたくしに分かるわけないでしょ!」 あまりに一貫していて腹も立たないというか(笑) セラなんかクールに見えて、相談すると実は妙に熱血漢だったり。こういう芸の細かさはポイント高し。

 また、これらNPCに関する情報が絶妙に断片的だからなあ……二次創作が多いわけだ(笑)

快適ないくつかのシステム

 システム的には、戦ってレベル上げて強くなって……というオーソドックスなRPG。PRGの戦闘はだんだん作業的になってきてともすると苦痛、という欠点は以前から言われていたけど、このゲームでは、なるべくそのストレスを軽減するような工夫が見られる。

 まず、ダンジョン内で一度倒したモンスターは、クエスト終了まで復活しないこと。つまり、ダンジョン探索の行きがけにモンスターを全部倒しておくと、帰り道にはモンスターがいない。苦労してそのマップの敵全部倒して、次のマップに切り替わったとたん「あ、しまった、あそこの宝箱開けるの忘れた!」と戻ってみたらモンスターがごっそり復活……という切ない思いをしないのはとてもよい。逆にレベル上げしたい人は、その分クエストをたくさんこなせばいいわけだしね。

 それから、「逃げる」コマンドで確実に逃げられること。エンカウントすらめんどくさければ、魔法を使ってマップ上の敵と全くエンカウントしないことも可能。戦うかどうかも完全にプレイヤー任せになっているのは嬉しい。

 こんな感じで、特にRPGにおける戦闘の煩わしさを極力排除しているのを感じた。まあある意味、後ろ向きな対処とも言えるけど……煩わしいと感じないような戦闘システムにしろや、という意見もあると思うので。

 あと、戦闘とは関係ないけど、どこでもセーブできる快適さも併せて挙げておきたい。人によっては「ダンジョンの緊張感がなくなる」というかもしれないけど、ヘタレな私には大歓迎(爆) このゲーム、いつどこでどんなイベントが起きるか分かんないし、その中には、「こちら立てればあちら立たず」というようなイベントもあるわけだし。
 しかし、どのダンジョンのどのマップにいるのか、あるいはダンジョン内のどこのモンスターを何匹倒したかなんてデータ、よくメモリカード2ブロックで収めたなあ。

リベンジを待っている

 ……と、おおむねいいことずくめで書いてきたけど、荒削りなところもいろいろある。後ろ向きに対処してしまうような戦闘もそうだし、バトル開始時のロードの長さもしかり、あとイベント関連のバグも少なくないらしい(最悪、手前のセーブデータからやり直しとか)。削られたとおぼしきイベントや設定も散見される。

 だからネット世間に、これだけ続編を求める声があるんだなーとよく分かった。続編、というよりリベンジを求めている。こんなに魅力的なのに、荒削りだったり未完成だったりする部分も目につくだけに、手放しで人に勧められないのは惜しいと。そこらへん丁寧に作り直したものが見たいと。しみじみ同意。リベンジしてください。できればPS2で。←完全に個人的都合