げえむ語り:セガガガ


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ジャンル SLG+RPG
ハード ドリームキャスト
発売日 2001/03/29
発売元 セガ
公式サイト http://www.segagaga.com/

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笑いと本音、奇策と王道、そしてセガ

 私はセガのハードや有名タイトルの名前ぐらいは知っているけど、セガのゲーム自体はほとんど遊んだことがない程度のゲームファン。なので、細かいネタは実はよく分からず。でも説得の言葉はいろいろ心に響いた……(注:わたしゃ業界人じゃありません)

「順調に遅れてます!」
「クリエイターを気取っているだけですね。」
「思いつきを仕様書にまとめる俺の身にもなってみろ!」
「人の目を見て話をしましょう!」
「残業400時間オーバーだ!」
「ヨメさんが欲しい~! 人間じゃなくてもいい~!」

 百種類以上あるというこの説得セリフ、わははははー痛いー破壊力ありすぎー(死) RPGって、戦闘が単調なレベル上げ作業にならないようにいろいろ腐心してますが、これもその方法の一つといっていいのだろうか。
 そして一部実話もベースになっていると思われるシナリオ、開発パートの様々なイベント。笑い涙で画面が見えん。

 でも、ゲームの端々に、「それでもゲームに夢がもてますか?」という呪詛のような問いかけが聞こえてくる。確かにつかみは自虐ネタやパロディだけど、それは多分照れ隠しも兼ねているので、惑わされてはいけない。本音はマジです。これだけ業界をコケにしながら鼻につくような感じがしないのは、そういうこと。

 これが内輪ネタや同人だったら笑って済むけど、商業作品としてやるにはかなり勇気がいったと思う。それでもやりたかったんだろうな。このゲームにかけた作者の思いの深さを感じる。勝手に。

 そしてストーリー。デコレーションの部分は飛ばしまくっているが、ストーリーそのものは直球ど真ん中な展開になっている。よきライバル、理解のある上司、商売敵、そして内なる敵……業界物でよく目にする登場人物。その中で、一人の若者が失敗や挫折にもくじけず夢を追いかけていく……どこにでもある成長物語。個人的には、主人公と少女の boy meets girl な展開が好きだったりして。これまた古典的。
 で、「よくある話」イコール「ありきたり、つまらない」ではない。決して奇をてらったわけではない、よく分かってるじゃーん、と思うところ。

 そんなことなら、わざわざセガを舞台に持ってくることはないじゃないか、やっぱり奇をてらっている、という見方もあるかもしれない。実際そうかもしれない。
 「セガ以外ありえなかった」というのがプレイ後の私の感想。It's SEGA。「a」はつかない。それがセガだと。