げえむ語り:セガガガ


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ジャンル SLG+RPG
ハード ドリームキャスト
発売日 2001/03/29
発売元 セガ
公式サイト http://www.segagaga.com/

ストーリー

 2025年の日本。ゲーム業界はドグマ社の独占状態にあり、青色吐息のセガ。そこで起死回生の策として「セガガガプロジェクト」が始動、主人公はそのプロジェクトメンバーに抜擢される。もう一人のメンバーである少女と協力してゲームをつくり、めざせシェア100%。
 ゲーム業界の厳しい現実や、ウソのような半分実話(笑)のエピソード、ドクマ社との対決、少女の謎などを交えつつ、物語は進んでいく。与えられた3年間で、主人公は夢のゲームをつくれるのか? そしてシェア100%を達成したとき、そこには――?

 てな感じでしょうか。設定こそぶっ飛んでいますが、内容は至ってオーソドックス。そこら辺はネタバレになるので、詳しくはside-Bで。

システム1:開発スタッフ捕獲RPG

 主人公は「売れるゲームを作る」という大目的があるんですが、ゲームを作るには開発スタッフが必要。そのスタッフといえば……閉ざされた開発室の中、過酷な労働や非情な現実その他のせいで、いつしかモンスター化していた!(どどーん) というわけで、まずは開発室という名のダンジョンに乗り込み、スタッフを説得&捕獲(違)して、頭数を揃えなければならない。

 具体的には、ランダムエンカウントで説得開始、胸に刺さる言葉を浴びせてダメージを与える。説得に成功すると、スタッフとして雇うために今度は「交渉」しなければならない。うまくやれば低賃金で雇えるし、そうでなければギャラ高騰、または立ち去られてしまう。これを繰り返しつつ、さらにボスキャラを倒して開発室を占拠すると一段落。ほぼRPGと同じノリで進んでいく。数々の説得セリフやアイテム・ハッタリ(魔法みたいなもん)、モンスターのプロフィールやエピソードに笑い泣くべし。

システム2:ゲーム開発SLG

 スタッフが揃ったら、占拠した開発室を使ってゲーム開発。
 途中、スタッフが過労で倒れたり、不満が噴き出すこともある。さらに、「スランプ」「引き抜き」「バグ」などの嫌なイベントも発生(笑) アイテム・資金注入・叱咤激励などを駆使して、何とかゲームを完成にもっていく。あとはゲームの売れ行き如何で、シェアが伸びたり伸びなかったり、次の開発資金が貯まったり貯まらなかったり。
 ライバルのドグマ社も定期的にゲームを発売しており、そこでシェアを奪い返されるので、あんまりのんびりやってはいられない。開発期間が延びれば、それだけ人件費もかかるしなー。そして開発資金が尽きればゲームオーバー。リアルで泣ける。るるる。

 基本的には、「スタッフをいかにドロップアウトさせず働かせるか」なので、SLGといってもそんなに複雑なことはない。逆に、SLG!と気合いを入れると拍子抜けするかも。まあゲーム全体の一パートと思って。
 ここもまた、パロディでありながらところどころリアルな描写に笑い泣くべし。ベータ版の状態でも売りに出せちゃうとかね。

難易度とか:実はとっつきやすい

 発売時期がちょうどドリームキャストの生産中止~セガのハード撤退と重なり、ゲーム業界外でも妙に話題になったこのゲーム(「神風」と言われていた(笑))。話の舞台から登場キャラ、開発できるゲームに至るまでが「セガ」をそのままネタにしたゲームなので、セガマニアにしか楽しめないような印象があるがそんなことはない。普通のゲームファンにも十分楽しめるし、SE系のお仕事の方には笑えるけど痛いという話も。

 また、ゲームシステムやバランスもよく考えられ、初心者が行き詰まらないようになってていると思う。見た目の印象に反して(笑)、とっつきやすい。ドリキャス持ってて気になっているんだけど、別にそこまで業界マニアってわけじゃないし……という人なら、心おきなく手を出すべし。PSOやるだけがドリキャスじゃない。って、ドリキャス持っている人はそんなこと悩まないともいうが(爆)
 逆に、かの「お業界」なんかまるっきり興味ない、という人には、パロディやネタの一つ一つがうっとうしいかもなー、とも。

個人的ツボポイント:イラストと音楽

 イベントシーンに出てくる劇画調の一枚絵、いい味出してます。開発パートのイベント「バグ来襲」とかそのまんまだし……アニメ部分の絵がわりとさっぱりすっきりしているので、よけいイベント絵の迫力が(笑)

 そして音楽。メインテーマは本当の社歌より社歌らしく、アキバのテーマは石○電気か祖父地図か。あの手の家電量販店って、どーしてそろいも揃ってあーいう曲が流れてるんでしょうね。業界で決まっているんだろうか。閑話休題。その芸達者ぶりに思わずサントラ買っちゃったい。
 作(曲)家性の強い最近のゲーム音楽の中で、こういう盛り上げ役に徹したゲーム音楽は逆に新鮮だったり。徹底したパロディでゲームと添い遂げた音楽に拍手。