げえむ語り:ロストカラーズ


indexげえむ語り > ロストカラーズ (side-A)

ジャンル アドバンスドノベル
ハード Windows
発売日 2004/02/22
発売元 自転車創業
公式サイト http://www.anos.co.jp/anos3/anos3.htm

ストーリー

 いつしか色をなくした世界。色は人を蝕み、世界を滅ぼす厄災。色のついた人間=カラーズは、色の侵食を防ぐために抹殺される。そのカラーズ討伐隊の一員である主人公は、快楽殺人者と呼ばれるほどの功績をもって王位継承者にまで登り詰め――奈落の底に落とされる。自らが嫌悪するカラーズとなって。絶望する彼の前に少女は現れ、告げる。色のない体に戻る方法があると。
 色の侵食を防ぐため、結界として安置された3つの石・ANOS。色のない世界とある世界を往復し、数々の謎を解きながらANOSを手に入れる。途中で出会う人々、そして少女の真意は? なぜこの世界には色がないのか――?

 独特の世界観、偏執的(誉め言葉)なまでにこだわりの設定。主人公達が何度も同じ場面を「くり返す」というゲームの仕様を、時間循環といった概念でちゃんと設定に織り込んでいたり……実は私、そこら辺の設定をちゃんと理解したとは言い難いんですが(爆)
 その他、ネタバレになるので詳しくは書きませんが、『あの、素晴らしい  をもう一度』と重なる部分がありますね。いろいろ。

システム:「思い出す」ことで開かれる道、再び

 前作『空の浮動産』のチュートリアルモードが「記憶操作」と名を変えて再登場。読み進めていくうちにいろいろな言葉が記憶に蓄積されていき、それを主人公が迷った時に適切に思い出させてやることで、新たな道が開かれます。繰り返しになるので、詳しくは前作のレビューなど。読みがすこーんと当たった時の快感は何者にも代え難く。

 ノベルゲーにつきもののバッドエンドはなく、時間循環の輪の中で各所を行ったりきたりの繰り返し。しかしこれが、「繰り返し」という言葉のネガティブなイメージとは裏腹に面白い。A地点で得られた情報がB地点で意外なヒントになったり、C地点で得られたアイテムがA地点攻略の必須アイテムだったり……だんだんと全体像が浮かび上がっていく過程は、ANOSシリーズ全てに通じる魅力かと。繰り返しというよりは螺旋かなあ。だんだん高みに昇っていって、俯瞰できるようになる。
 個人的には、ワープロで物を書き始めた時の感覚に似ていて好きです。頭から順番に書き進めていった手書きの時と違って、自分の好きなところからちょこちょこと書き貯めて、やがてそれが全体を成していく感覚。まさしく能動的に参加するノベル。

 途中、結構頭使います。ノベルゲームらしからぬ試みもいくつかあったりするので。どうしてもダメなときだけファンサイトのヒント集をちらっと見て、でも後は自力でGO。

その他

 ANOS探しのサポーター・ミドリの歌は感染します。ある意味「色」より凶悪な感染力。ミドリが登場するとつい節をつけてしまうプレイヤーは私だけじゃないはずだ。